旧友恋(2)

投稿番号[2042] 天気

3学期の初日、登校したら席替え後で、隣はR君だった。

最初に話しかけたのはR君のほうでした。
「初めて話すよね。Rです、よろしく!」
そう、1学期2学期と同じクラスにいながら、話すのは初めて。
そんな雰囲気のクラスだったのですよ。

格好いいなぁと憧れている人が隣でちょっと心ウキウキ。
でも、頭痛が・・・・・。
「体調悪いみたいだね。大丈夫?」
そう気遣ってくれる優しさが何とも言えず嬉しかった。

休み時間になると、正憲はトイレへ、R君はイケメングループへ。
正憲の体調が良さそうなときは、隣から動かずに話をしてくれました。
気を遣わなくても大丈夫なんだけど・・・と思いつつも、彼の心遣いが嬉しかったです。
相変わらず1限目途中での登校は続きました。
登校していない間に進んだ授業内容を教えてくれたのはR君だけでした。

3学期は短く、春休みはあっという間にやって来ました。
その間も正憲の副鼻腔炎は徐々に悪化し、頭痛や体調不良も悪化。
休み時間にR君と話すことも少なくなりました。
トイレにいるか、机に突っ伏してダウンしているかでしたから。

3学期が終わる直前に、学校の進路相談がありました。
正憲は入学当初から理系クラスに行くと決めていました。
R君の将来の志望は聞いてはいましたが、面談のあとで「俺は文系!」と報告がありました。
せっかく話ができるようになったのに、別々の進路とは残念。
クラス替えでも同じクラスになることはないんだとガックリしました。

さて春休みに入り、いよいよ手術の日。
順調に終われば休み中に退院の予定でした。
が、うまく行かない時はうまく行かないもので、予想外の大出血になってしまい、入院期間が倍に伸びてしまいました。
副鼻腔炎の術後って悲惨ですね、あの姿は誰にも見られたくありません(苦笑)。
輸血はせずに自力で造血ということになったので、入院が長くなってしまいました。

退院後は激ヤセでヨレヨレでした(笑)。

新年度、高校2年の初登校は4月の中旬になってから。
クラスは成績順に決まるので3/5ぐらいは同じ顔ぶれです。
とはいえ、授業の進み方は半端無く速いので、2週間の遅れは大変でした。
登校したその日、自分の荷物はやはり新しい席に移されていまいた。

病欠中の手続きなどを事務で済ませて自分の席で休んでいると、後ろからポンっと背中を叩かれました。
「良くなったかぁ?」
R君!
文系の彼はクラスは違いますが、正憲がいつ登校するか気にかけてくれていた様子。
わざわざ別の教室(少し離れている)まで来てくれたのでした。

嬉しいかったですよ。
今でも忘れません。
次の休み時間にも正憲の教室にやってきて、入院や手術の話を聞いていました。
3週間ぐらいですっかり痩せたを見てビックリしたようです。

傷口は? 痛いの? ご飯美味しかった?
興味深げに質問していました。
たった10分の休み時間をこんなことに使って大丈夫ですか?
気になってしかたなかったです(苦笑)。

その日のいつだったかもう覚えていませんが、確か登校初日だったと思う。
R君からかけれた言葉は今でも忘れません。
「理文違うけど、これからも仲良くしてな!」
飛び上がりそうに嬉しかったです♡
まさかそんなことを言われるなんて夢にも思っていませんでしたから。

彼にしてみたら、普通のことなのかもしれません。
でも、正憲にはあの当時なら到底出てこない言葉でした(今でも微妙ですが・・・・・)。
R君は当時から相当の大人だったのだと思います。
正憲ならそんな言葉だけでなく、休み時間に訪ねることができたかも分りません。

イケメンなだけでなく、本当に優しい人でした。

術後には頭痛などの体調不良はかなり改善しました。
ただ、頭重感や走ったりなどした時の顔面痛があり、体育は見学のみ。
体育の授業だけは理文合同でしたので、唯一R君と近づける時間でした。
ただ、遠巻きに見ているだけでしたが(苦笑)。

柔道の授業では友達同志でふざけ合って、道着が開けたりして目のやり場に困りました。
R君と戯れている彼の友達が羨ましかった(大笑)。
サッカーの授業では、正憲はグランドの端で座っての見学がほとんどで、点数板とか手伝いました。
走り回っているR君は格好良く、素敵なスポーツマンでした。
交代中には正憲のそばにやってきて、雑談してくれたものです。

受験が近づき、理文の合同授業も少なくなり、次第に会う時間も少なくなっていきました。
たまに見かけると嬉しいもので、そのときは彼もよく話しかけてくれました。
彼の友人たちは「なぜ正憲と?」と疑問に思っていたようでした。
そうですね、どうしてなんだろう?
今でもよく分りません(苦笑)。

高校3年は慌ただしく、学校の特殊性も重なり、R君を見かけても遠巻きにという感じ。
さらに術後の経過に不具合が生じ、3年生の夏休みに再手術になりました。
世の中うまく行かない時は大変です。
約2週間の入院後はやはりヘロヘロの状態でした。

お受験。

R君はめでたく地元の大学に合格できました。
正憲は努力不足で不合格。
心身鍛錬、学業充実のため、福岡で浪人生活を送ることになりました。
引越し準備や予備校の手続きなど慌ただしく済ませ、沖縄を発つ直前にR君に電話。
「合格おめでとう!目標に向かって頑張ってね!」

R君からは慰めと励ましの言葉がありました。
嬉しかった。
同時に、もう会えなくなるということで寂しさも。
恋心というにはまだ幼かったかな。
自分にはない優しさや社交性、イケメンさ、配慮など、彼は憧れの存在だったと思います。

卒業進学と県外浪人生活で互いの進路が分かれ、細く淡かったR君との繋がりは柔らかく消えていきました。

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